私は、まさかと思いながらもドアノブを回した。
カチャ。
ドアの鍵はかかっていなかった。
人一倍用心している優也が普段、鍵をかけないなんてある訳がなかった。
それは、優也が今部屋にいると言うことを物語っていた。
だけど、部屋の中の電気はついてなくて、人が居る気配はなかった。
勝手に入って、部屋の電気をつけた。
そこには、一人でうずくまって静かにないている優也がいた。
「―ゆうっ」
私は無意識の内に優也の背中に抱きついていた。
「――好きっ」
これも。
無意識に出た言葉。
だけど、本心だった。
優也は少しだけ声を漏らして泣いた。
「私は――優也が好きだよ。
だからっ……甘えていいんだよ。
泣いていいんだよ。
私が、優也を守るからっ。もう、無理しないでよ」