そういえば私……何で泣いてたんだっけ?
優也のお母さんの事がショックだったから?
優也が可哀想だったから?
それとも…優也に怒鳴られたのがショックだったから?
もう一度考えると分からなかった。
だけど、今わかったんだ。全部違う。。。
私は……優也が苦しんでる時、何も出来ないだけじゃなくて、かける言葉さえ見つからなかったから。
そんな、優也の為に何も出来ない自分に腹が立って……悲しくて……逃げたんだ。
だとしたら?
今の私はどうすればいい?
このままなんて、絶対嫌だ。
優也の為に何ができる?
大事な人の為に―――
そう思った時には、部屋を飛び出していた。
「ちょっ――真由ちゃん、どこ行くの!?」
今にも玄関を出ていこうとしている私に、ママが驚いたように言った。