もう少しで、私の家につくという時優也の足が止まった。


「優也?どうしたの?」


聞いても、優也は目の前を真っ直ぐと見つめている。

私も、優也が見ている方向を見た。


「え………?優也、あの人って―――」







「お母さん……」




そう。
目の前には、優也のお母さんがいた。


だけど、だけど様子が変だった。


パジャマ姿で、それに七年前から月日は経ったとはいえ、昔とは比べものにならないくらいに痩せ細り
やつれていた。


「お母さんっ!」


優也は、お母さんの元に走った。

目には沢山の涙を溜めて。

お母さんのすぐそばに行くと、気配に気付いたのか
ゆっくりと優也を見上げた。


「お……とうさん?

お父さぁぁーん!!!
帰ってきてくれたんですかぁ!」


お母さんは狂ったように優也にしがみ付き、ワンワンと泣き叫んだ。

優也は混乱し、オロオロとしていた。