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みっちゃんには了解をもらって、中庭に来た。


だけど、啌君はまだ来てないみたい。


私は、いつものベンチに腰を下ろして空を見上げた。

私は、空を見るのが好きなんだ。

透き通った、青々とした空。
無造作にちりばめられた
フワフワとした雲。

どれもこれも、すっごく綺麗で。


「よぉ」


空を見上げている私の後ろで、男の子の声が聞こえた。


……………啌、君?


声が聞こえた方を見ると―――――え?


啌君じゃ…ない。


そこには、AとBに別れている合宿クラスのBのクラスの男子生徒がいた。

この名目塾に通っている生徒とは思えないほど、見た目はチャラチャラしている。

金髪に染めた髪に、耳、鼻についたピアス。

ダラッと垂れ下がったジーンズ。


ニッと口角を上げて笑う姿には、ゾクッと背筋が凍ってしまうほどの気味の悪さ。