……?

不思議に思いながら、その紙くずを広げると
男の子っぽい字が並べられていた。



―今日、授業終わったら中庭に来て―


名前は書いてなかったけど、すぐに啌君だと思った。

――中庭――


そこは、私と啌君のたくさんの出来事が詰まった場所だから。

なんて、こんな事を考えてるのは私だけかもしれないけど。



「今日の授業は、これで終わりだ。
14日間、よく頑張った。
今日1日は残りの時間を有意義に使いなさい」


『え?』


そこにいる、塾生みんなが驚いた。


そりゃそうだ。
だって、まだ昼も来てないんだもん。

予定では、いつも通り夜の10時まで授業のはずだったのに。


きっと、先生が遊びたいだけでしょ?

みんなが思ってるだろう。


だけど、みんな大喜びしてる。
もちろん私もだけど。



そだっ!
だったから、今から中庭に行くんだよね?

啌君…どうしたんだろう?