顔をあげると、聖夜君が
さっきとはまるで違う
顔つきになっていた。

「聖夜君…わ、私帰らなきゃ!!だから、、放してっ!!!」

振りのけようとしたけど、男の人の力に勝てる訳もなく、聖夜君の恐い顔が近づいてくる。

「いぃーやっっ!!!!」
私は聖夜君を振り払い
全速力で走って逃げた。

心はぐちゃぐちゃで……。今日遊んで、いい人だと
思ったのに!!!
幸せだなって思ったのに!!!
鼻水や涙で顔がぐちゃぐちゃになって。

それでも、走ることを
やめなかった。

聖夜君から逃げるように。