「あぁ………だな」
すっかりわっせてた。
まぁ、けどそんなに急がなくても大丈夫だろ。
それにまだ、公香と一緒にいた―――
「じゃ、私は行くね!!
また明日ねっ啌君」
そう言うと、ばいばぁーいと笑顔で手を振りながら
帰った。
「えっ?…………ちょ、まじかよ」
とっとと帰りやがって。
まぁそうだよな。
あいつは俺の事なんか
眼中にもないんだろうから。
どうせ好きなのは俺だけだよ。
そう思い、はぁ…と一つ
ため息をついてからベンチに腰掛けた。
………って、俺はいつからこんなヘタレになっちまったんだろうな。
まるで、お母さんに相手にされなくて拗ねてる子供みたいだ。
恋って、まるで人を変えちまうんだな。
ブルッ――
自分で思った事が
気持ち悪くて、虫酸が走った。
まぁいいか。
ちゃんと仲直り出来たし。
素直に謝れたしな。