こんな余裕なんて微塵にもない俺だけど…
生まれて初めて
好きな女に告白するんだ。
――――――――――
午後11時。
俺は中庭にいた。
公香はまだ…来てない。
まだ11時になったばっかりなんだから、来てないのも無理ないんだけど。
だけど俺はずっとソワソワしてた。
「こうくんっ!
ごめんねっ――はぁはぁ
みっちゃんったらお風呂
長いから―」
公香が慌てたように
息を切らして現れた。
「いーよ。
それにまだ11時になったばっかだし」
さっきまで
まだかまだかと待ってたのに格好付けてっし。
「そだねっ。
それで、どうしたの?」
また直球な……
「いや、別に……
な―――しようと…」
恥ずかしくて、声が小さくなってしまう。
「へっ?
ゴメン何?聞こえなかった」
だろーな…
「だからっ!
仲直りっを、その…しようと//」