カッコ悪…俺。
人を好きになるだけで
こんなにも自分が
コントロールできなくなるなんて。
本当はあの時。
公香が俺に謝ってくれた時、嬉しかった。
ほっといてって言われた時、本気でへこんだから。
俺も悪かったって
素直に謝ろうと思った。
だけど…今まで謝った事なんてないから
タイミングが分からなくて。
結局『何だよ!お前邪魔だから』
なんて、思ってもない事
言っちまって。
またあいつ怒らせちゃうし。
本当に、バカだよな俺。
「やっべっ。
もう出ないと」
ぼーっとしながら、
準備していた俺は時計を見てハッとした。
用意をとっととして
部屋をでてエレベーターに乗った。
この旅館は無駄に高くて、俺の部屋なんて42階。
飯を食う会場は1階だから、時間がかかって仕方ない。
チーン。