「………もしっ!!父さん達が借金取りに見つかってたら……?」
「……」
じいちゃんは涙を流しながら悔しそうに、唇を噛んだ。
「お前は……父さん達に守られた子なんだ。
お前だけには苦労させたくなかったんだよ。
だから、頼む。
お前は――――幸せになれ」
「っ――!!」
とうとう涙が目からもれたオレは、家を飛び出した。
久しぶりに、涙が枯れるまで泣き続けた。
オレは―――
幸せにならなきゃ駄目なんだ。
大切な人を守れる強い男になるんだ。
父さんが果たせなかった夢を―――オレが叶えなきゃ駄目なんだ。
その時頭に浮かんだのは、真由ちゃんの顔。
優しくて、強くて、笑顔が可愛い真由ちゃんの顔。
何年間も忘れる事が出来なかった思い。
今こそ、伝えなきゃ駄目だと思った。