そう。
父さんは結構有名な株式会社の社長だった。
そのお陰か、オレは小さい頃から金だけには困らなかった。
だけど、父さんにある日突然言われた。
『お父さんなぁ、仕事やめたからな。だけど、お前は何にも心配しなくていんだぞー??
困る事なんて、一つもないんだから』
オレの頭をくしゃくしゃとかきながら、優しい笑顔で言っていた。
まだ小さく未熟だったオレは、素直にその言葉を受け取り笑顔で“うんっ”と言った。
じいちゃんはまた話しだした。
「倒産したのはなぁ、ある会社に騙されたからだ。
それまではずっと、父さんの会社とその会社が組んで事業を広げて行ってたんだ。
それもほとんどは父さんの会社のお陰なんだ。
だけど、ある時突然
その会社は、別の会社と組み父さんの会社は捨てたんだ。
父さんの会社と肩を並べるぐらい成長したからな。
父さんの会社は、洋なしになったって訳だ。