今思えば…どうしてその時気付かなかったのかと思う。
その後母さんは、離すと
オレの背中をポンッと押した。
「また……後でね」
「うん。。。」
オレはゆっくりゆっくり歩き、飛行機に乗った。
着いたのは、超のつくほど田舎の町。
飛行機から降りると、おじいちゃんとおばあちゃんが待ってて。
その日から、オレはおじいちゃんちの子になった。
だけど……後から来ると約束したお母さんが、来ることはなかった。
それから、6年後
オレは中3になっていた。
その半ば頃、初めて本当の事実をおじいちゃんから聞かされた。
「もう、お前も大人だ。
そろそろいいだろう」
そう言って。
その時初めて聞いた本当の事実。
それは――――
母さんと父さんと会うことはもう二度と出来ない。
それは、おじいちゃんも二人が今どこで何をしているのか分からないから。
それに…向こうの町では
オレは死んだ事になっているということ。