「はぁー…どうして……」

誰も居ない教室で呟く。


隣のグラウンドからは
野球部の掛け声が聞こえる。


最近私……悩んでばっかだなぁ………


もう一つため息をついてから、机に顔を伏せた。


もぅ訳わかんない。。。





「真由ちゃん」


教室のドアあたりから、静かに私を呼ぶ声が聞こえ、体が条件反射のようにビクッと跳ね上がる。



ゆっくりと顔を上げると………やっぱり。


「…優……也…君……」


「昨日はごめん。オレ、真由先輩を驚かせたみたいで……」


昨日の傷跡が痛々しい体で、弱々しく笑いながら言う。


「っ………」


言葉を発したいのに………

昨日は、助けてくれてありがとうって言いたいのに………


嬉しかったよって………

ごめんねって………言いたいのに……私の口は言うことを聞いてくれない。



「オレ、先輩がウザイって思ってるなら、もう近づきません。今日は最後に言いたくて来たんです」