啌君はそう言うと
繋がれていた右手を離し
私のおでこに手を添えた。

触れられてドキドキするのと、繋いでた手を離されて残念な気持ちが混ざって
複雑な気分だった。


「うーーん…熱はないみたいだけど。寒い?そろそろ戻るか」


「い、いやっ!!」


立ち上がろうとした啌君の手を握りしめた。


「……え?」


「あっ//いや、あの……ほ、ほら!!まだ花火終わってないしっ!!!
終わるまで見てたいなぁー…て。駄、目かな?」


本当はまだ啌君と一緒に
居たいという思いを隠して誤魔化すと、啌君はふっと笑って腰を下ろした。


「公香も…花火、好きなのな」


「へっ?あ、うん!!女の子はきっとみーんな好きだよ。ロマンチックだもん」

「…そか」


「啌君はさ…ロマンチストなんだねっ!!夜の海とか、花火とか」


「……ははっ。似合わねーだろ」


「ううん……そんな事ないよ。すっごくいいと思うよ。そうゆう人、私は好きだよ」