「えっ…?どこに?」


「いーから」


そう言うと啌君は、私の手をとり歩き出した。


「ちょっ啌君!?//」


「……………のろい」


えーー?
それを貴方が言いますか!?







啌君に引っ張って連れてこられたのは、旅館から少し離れた海辺。


夜の海は昼と違って少し怖い。
押し寄せる、黒い波にさらわれてしまいそうで。


「どーして、ここに?」


「……いーから、ちょっと待って」


どうしたんだろ、本当に。啌君が海………似合わない…。


「ふふふっ」


「……何、笑ってんの?」

あ、、、やばい。


「い、いや何でもないよー?」


「ふーーん?」


明らかに疑っている視線を向ける啌君。


はははっこわいこわい………。


――ピューーバァーーーン!!!――

な、何!?
目の前から爆音が聞こえ
上を見上げると………


「うっわぁ!!花火だぁ!!!」


「…そ。俺、こっから見るこれが好きなんだよね。
誰にも教えてなかったんだけど」