『か…さま?』
「母様?私は貴女の母になった覚えはありません」
『なんで?かんなだよ、かんな!!』
「知りません」
「マジかよ…」
「嘘でしょ?」
「姫…」
「姫…神無…」
そこにいたのは、巫女の役目を全うしようとする昔の桜乃でございました。
玉依姫としての誇りと荘厳さを持つ、桜乃でございました。
『かあさ「私は祭壇に戻ります。」』
踵を返し、長い髪を靡かせながら、桜乃は神無に見向きもせずに祭壇に戻っていきました。
『かあさま!!』
あまりの出来事に泣き叫ぶ神無を見て、守護神達は心を痛めます。
「あんまりだよな…」
「神無、まだ小さいのに…」
そこに、天御中主神の神勅が降ります。
“神無を物忌として玉依姫に仕えさせよ”