それは、遥か昔。神代の時代。
天津見宮に仕える、一人の女性がおりました。

その女性は、巫女としての器を高く評価されたため、高天原に住まう最高神に見初められ、人間の器から、神の器へと乗り移り。

この日の本に坐す八百万の神々をその身に降ろし、神の声を聴く巫女になったのでございます。







――――――――――…そして時は流れ。

平安の世。
色とりどりな着物を貴族がお召しになる、華やかな時代。




人々の心から忘れ去られた神と、お社があったのでございます。