次の日になって、いつもの道を通っていた俺の前にはやっぱり元保がいた。
「おはよ、和希」
俺に気づいた瞬間彼女の顔は明るくなった、ように見えた。
女に免疫がない為に起こる、自惚れか。
「…なんでお前が俺のこと名前で呼んでんの?んな親しくねぇだろ」
笑顔で駆け寄ってきた彼女の顔が、一気に変わる。
だけど、その横を簡単に抜かして俺は変わらないペースで歩き続ける。
「…そ、そんなの、親しくしたいからじゃん?」
俺のあとを追いかけている、足音。
元保がどうしてこんなにも俺に、関わろうとしてくるのか理解できない。
「俺は、親しくするつもりはない。」
振り返って彼女をみた。
その顔は、驚きまじりのすこし悲しそうな顔だった。
「ただの、クラスメイト。それでいいじゃん?」
片手をあげてふっと笑う。