帰り道を歩いていた俺の肩をポンっと誰かが叩いた。
驚いて後を見るとにこっと笑った元保がいた。
「…お前かよ」
「えー何その不満顔ー。…じゃあ誰なら良かった?」
はぁ?
別に誰が良いとか言ってねぇだろ。
突拍子もない事をいうなよな…。
はあとわざと大きなため息をしてやると、元保は慌てたように笑った。
「ごめんごめん!冗談だってー。別にそんな怒った顔しなくてもいいじゃん」
「別にしてないし」
元保に向けていた顔も体も元に戻してまた家路に向かう道へと足を動かす。
すると、その後を追いかけるように元保もあるきだした。
「何?何で並んで歩く訳?」
めんどくさい奴だなぁ、こいつ。
「だってまだ話したいんだもーん」
「知るか」
「いいじゃん、ケチ!こんな美人隣に並ばせて歩けるだけでもありがたいと思ってよ」