「さっきから、言ってんだろーが。ほんと、他の女子引いてっからやめろって」
周りの女子の目は、明らかに慎也から遠ざかってる。
そして、慎也の事が好きな女どもはモノ凄い形相で元保を睨んでいる。
「何だよ、和希!クラスの女子どもはどうでもいいんだ!俺の恋路をじゃますんな!」
頭を抑えて、ぐわっと立ち上がって俺を見下ろす。
180は優にある慎也と、170いくかいかないかの俺。
結構ある背の差を嫌う俺を知っている慎也はふふんと自慢するかのように笑ってきた。
「あったま来た…」
俺の怒りがふつふつと沸き上がるの同じくらいに、女子たちからもブーイングと泣き声の嵐。
慎也に掴み掛ろうとしたその時、俺は一瞬息が出来なくなって思わず手を止めていた。
パシンッ…