『しかし一体何を恐れているのか。』
これは、僕とっては非常に難しい質問である。
なぜなら僕の記憶力は甚だ乏しいのであって、何故こんなに恐怖しているのかがわからないのだ。
不思議に思われるだろうが、本当にそうなのだから、仕方ない。
だからこそ、これ程までに僕は恐怖している。
今居る場所さえ、僕の住まいでないような気がしてならない。
いや、それは単なる杞憂だろう。
しかしまあ、理由のわからぬ恐れほど、恐怖な物はない。
今まさに、身をもってしてそれを体感している僕が言うのだから、その通りだと感じて頂けることと思う。