あたしの方へ向かってくる影が一人、ダダダ、とすごい勢いで走り寄ってきた。
「しっおりーっ!」
そう叫びながら、抱きついてくる。
そして、あたしの手を取り
独りジャンピングするのは。
――井上七海。
いつもテンションが高く、とにかく元気がいい。
かつ、さらっとしている部分がありながらも、なにかと頼りになるのだ。
と、まぁ…そんな子が
あたしの親友なのである。
「今年もおんなじクラスだったよ!」
「ほんと!?」
「ほんとほんと!」
そう嬉しそうに言うと、あたしの手をぐいぐい引っ張り、玄関前に連れていく。
玄関のガラスには、何枚かずらり、とその紙が並べられるように貼り付けられていて…
あたしはその中の1枚に目を向けた。