「お前…寝てたって…
こっちは部活だったっつーのに」
「あたしは帰宅部という、
れっきとした部活をしてました」
「口だけ達者になりやがって」
チッ、と軽く舌打ちされました。
「…とりあえず中、入れよ」
「…ん…、…お邪魔します…」
少し遠慮気味に言葉を返して、中に入ろうとした時に気づいた。
「そうそう、これ…」
「は?なにこれ」
「ウチのお母さんから」
「……あぁ、サンキュ」
ガサリ、と音を立てたビニール袋は、あっさり、あたしの手から翔の手へ移動する。
……にしても懐かしいこと、この上ない翔の部屋。
あたしが最後に見た時とは、えらく、すべてが変わっているけど。
ずいぶん、殺風景になったなぁと、一目見て、そう思った。
そして、すごい本が増えたなぁ…
と、そんな感じ。