ガサガサ、と音を鳴らしながら、あたしは再び、上へと続く階段を上っていった。
止まらないあくびをしながら、ガチャ、とドアノブを下げて部屋へと入り、ベランダの方に視線を向ける。
…さて…と…。
めんどくさいけど行きますか…。
未だにクローズド、カーテンの部屋に視線を向けた後、あたしはそこへ向かって、足を踏み出した。
そして、慣れた足取りでベランダを飛び越え、我ながら見事な着地を済ませると、窓ガラスを軽く叩いた。
すると、しばらくしてあんなに開かなかったカーテンと窓が。
今までなんだったんだろう…
と思うほどあっけなく、軽々しく開いたのである。
「…お前まだ制服だったのかよ」
なんて、あたしの格好を見るなり、ハッ、と笑う。
そして、それが開口一番に発せられた言葉。
とことん失礼なヤツだ。
そんな翔に対して。
「うん。寝てた」
あたしも負けじと、答えてやった。