その後、始業式、課題テストが無事に終わり、この日は放課となった。
「それじゃあねーお二人さんー」
と、手を左右に振りながら、いそいそと教室から出ていく七海。
そんな七海にあたしも手を振り返した。
七海はサッカー部のマネをしていて…
サッカーのことになると、ものすごい熱くなり、ついていけなくなる。
「翔哉ー、部活行こうぜー」
「おう。じゃあな、しい」
ついでに、こいつはバスケ部だ。
「…うん」
と、友達と教室を出ていこうとする翔に、ひらひらと手を振った時。
「今日、夕方俺の部屋に来い」
「…うん………は!?」
…気づいた時には遅かった。
もう、翔の姿はなかった。
…忽然と、消えていた。
なんて、すばやいヤツなんだ…。
しかもとんでもないことに
返事をしてしまった…。
………とりあえず帰ろ。
と、あたしもカバンを背負ってとぼとぼ学校を出た。