「しい」
あー…憂鬱だなぁ
「紫織」
早く席替えしないかなぁ…
「おい、馬鹿。
なにシカトしてやがる」
ペシン、といい音が鳴ったと思うと、次の瞬間にはズキズキ、と頭に鈍い痛みが走ってきた。
「いった……何すんのよ。
暴力反対、アホ」
「暴力じゃねぇ。愛のむちだ」
…………。
「あんたらってほんと仲いいよね」
「――どこが!」
あたしの瞬時の返答に、七海はもちろん、なぜか翔まで笑う。
新手のいじめか。チクショウ。
でも、とりあえずほんのちょっと…
良かったと思った。ほんのちょっとね。
別に嫌われたわけではなかったし
あたしが何かしたわけでもなかったから。
でもやっぱり…
関わるのは、抵抗がある。
だってあたしみたいなのとは…
……釣り合わないから。