「足りない」
「え……?足りないって?」
「あんなんじゃ足りない」
「ちょっ!あんなんって!私的にはすごい頑張ったんだけど!」
「そうだな」
「じゃあ……!」
「でも、小さい頃から思い続けてた女に、正式な男女の儀式をそんなこと呼ばわりされた罪はこんなことじゃすまないよ」
「正式な男女の儀式って聞こえはいいけど単なるセックスじゃない!」
「……咲良」
「まったく!春樹ってばそれしか頭にないの!?」
「……咲良」
「なに!」
「ここ、公共の場」

はっ……!

まさか……

「ね、ねぇ春樹。私なんて言ってた?」
「なにって……。セックスがどうとか」

……やっぱり……

「……春樹、お願いがあるんだけど」
「なに?」
「穴……掘って」
「穴?なんで」
「放送禁止用語を公共の場で言ったなんて……。ああもう!穴なんて無くてもいっそ減り込みたい!」
「大丈夫だ。安心しろ」
「その自信はどっからくんの!?」
「お前は絶対減り込めない。下はコンクリートだ。痛てぇし、お前にはそんな度胸ねぇだろ」

あ……

そこなんだ……。

「ま、冗談はさておき」

やっぱ冗談だったんすか。

「デパートでいいのか?」
「いや、さっきの話題完璧にスルーしたよね」
「なに?まさか公衆の面前で俺から強引かつ大胆にキスしてほしかったわけ?」
「いえ違います」
「それともこの場で強引にヤ……」
「はい、ストップー!」


Γ【作者より】―――¬
|この後どうなったか&|
|春樹のセリフ「ヤ……|
|」の続きはご想像と妄|
|想にお任せいたします|
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