「は?何にもないけど? ただアホガキにぶつかられてガム付けられたけど。」 しらっと答える優花は少し苛ついているように思える。 「そっか………良かった。」 安心して思わず溜め息が漏れた。 「ふふっ、真紅がそんなに焦るのは珍しいね。 大丈夫。なんともない。 だからクレープ寄越せ。」 「最後のなに? いらなくない?」 「ははっ、一番重要だ!」 眩しい眩しい、優花の笑顔。 それをもう二度と失いたくない。