「………ふーん。まだ演技するんだ?」

一トーン低い声音で美光は言い放つ。

鉛のような空気。
居心地の悪い緊張感。

私は美光の言葉の意味が理解出来なかった。


「どういう意……」

『キーンコーンカーンコーン』


私の声は予鈴に遮られた。



「じゃあその話は放課後に教室で。
俺は先に戻るね?」

美光はそう言って妖しく微笑み、荷物を持ってさっさと屋上からきえた。


「いったい なんだったんだ……」



私は空の下一人。
ポカンとしていた。