「どしたの?
そんなに唐揚げ食べたかった?」

「うん。」

残念そうに俯く美光。


『僕、王子様だよ!うふふあはは』オーラを出してたぐらいだし、
唐揚げぐらい買えよ。


「ごめん。今最後の一つ食べちゃったからもうないんだ………」


『唐揚げは私の口に健在だ。ざまぁ!』
とか心で密かに言ってみたり。




…が。

美光真紅という奴は私が思いもよらなかった行動にでた。




「いいよ。もらうから。」


「え?」




一瞬だった。

私が瞬きした直後、目に映り込んだのは近すぎてよく見えない美光の顔。
そして唇に触れた 柔らかいもの………。

『チュ』という音は妙に生々しくて。

噛めなていかった唐揚げをすんなり奪われる。



(美光にキスされた…………!?)