「きゃっ………」

「優花!!
二人で、屋上行ってご飯たべよっ」

耳元で聞こえた声。
どうやら私は背後から抱き締められているらしい。

その犯人は………さっきから私を悩ませているアホ転校生。
美光だった。


「真紅………とりあえずっ、離れてよ!」

「一緒に お弁当食べてくれるならいいよ!」

拒否反応からもがくが、全然効かない。
むしろ、よりぎゅっと抱き締められた。


(ああっ!めんどくせぇッッ!!)
自棄になり始めた私。

放してもらうため「………分かったから!!
 行くから離れて?」と渋々言った。


美光はパッと離れると私のお弁当をまとめて片手に持ち、
もう片方の手は私の腕を拘束しそのままドアへ。

私はただただ、呆気に取られることしか出来なかった。


「ごめん。優花ちゃん借りるね!
皆ついて来ないでね〜」


クラスの奴らはみんな行き成りのことに驚いてるみたいで、
ポカーンと目を丸くしている。

そりゃ、そうだろう。
私もコイツの行動には驚いた。


私は美光に腕をつかまれたまま教室を出た。