「榛原くん…ゴメンね?琉莉が榛原くんのこと、好き…」


「桃…嘉ぁ!違…うからっ!!」


桃嘉ったら、根っからの嘘を付くんだから!


っていうか、勘違いしすぎ!!


やっとの思いでファルドの手から逃げた私は、怒りの炎を上げていた。


「ファルドのバカっ!アンタの事なんて1ミリも好きじゃ無いんだからね!!」


シーン。


教室が私の声で静まり返った。


「何の騒ぎだ?」って隣のクラスから野次馬が見に来ている。


私は飾り物じゃないっつーの!


そう思いながら、ドアの方に目を軽く向けると…


あっ!


稲葉先輩っ!!


何で先輩がいるの…?