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むかしむかし、あるところに、孤独なヴァンパイアがいました。


彼には、想い人がいました。


けれど……その相手は、結ばれるはずの無い人間でした。


しかし彼は、その掟を破り、二人で逃げ出しました。


誰も自分達を知らない世界へ。


二人は、ずっと隠れて暮らしました。


けれど、二人は幸せでした。


しかし……その幸せは、突然終わりを告げるのです。


人間である彼女は、ヴァンパイアである彼より先に死んでしまいました。


悲しくて、悲しくて、ヴァンパイアは泣き続けました。


毎日の様に泣き続け、ある日ヴァンパイアは気付きます。


“復活させてしまえばいい”


そして、ヴァンパイアは禁忌を犯してしまいました。