「だって…おいしいんだもん」




こんなにおいしいと思ったの初めてなんだもん。




生きてる頃の記憶がないから、どんな料理食べてたのかなんて分かんない。




それに今までも食べる必要なんてなかったから、料理なんて食べたことなかった。




…だから…。




「…分かったって」




「え?」




自然と俯いてたらしく、でも爽麻の分からない発言に顔が上がった。




「俺、人に褒められるのが苦手なんだよ」




え、そうだったの?




「褒められるとどうしたらいいのか分かんねー」




あぁ、そうなんだ。




…だから、さっきも。




あんな言い方してたんだね。