「腹減った。何が食いたい」




どうやらお腹が空いたらしい爽麻は、あたしを見てそう言った。




何が食いたい?




…それ、あたしに質問してるってこと?




「と、特には…」




「何が食いたい」




あ、あのそれをりぴーとしないで下さい聞こえてます。




つまりは、きちんと言えってことね…。




「何があるのか分かりません」




「は?」




「えっと…料理の名前なんて聞かれても、何も分からないんです…」




“は?”って怖い顔されましても…。




あたし、記憶ないし。




食べる必要もなかったから、気にしてなかったんだもん。