「…ありがとう」 あたしのために、そんなこと考えてくれて。 やっぱり優しい人なんだ。 …言い方はすっごく怖いけど。 こんなにいい人に巡り合えて、あたしって幸せだな。 「別に」 視線を逸らされてしまった。 ……照れてるのかな。なんてね。 「……」 「あれ…耳、赤い?」 ふと気付いた爽麻の耳が赤く染まっていた。 「赤くねーよ」 低い声で否定されてしまった。 そうか、仕方ない。 …照れてるってことにしておこう。