「―…里沙」


「ちょっ…」


ここ、街中だよ!


あっという間にあたしは蒼の腕の中。


街を行き交う人々が通りすぎざまに見ていると…思う。


でも安心とドキドキが入り交じって、心臓がこれでもかっていうくらい動いている


「蒼?」


「ああ、ごめんいきなり…」


「別にいいよ」


大丈夫ではない鼓動だけれど。


抱きしめられて、嬉しいという感情があるのも事実だし。


「行こうか」


「うん」