ゴーンゴーン・・・



「おぅ、丁度亥の刻や」

「間に合ってよかったわぁ」

「ほんまお客はんありがとなぁ」



・・白羅が!


『すいません。僕用事があるんで失礼します』


言うが早いか、颯爽と走り出す僕を残った3人は呆然と眺めていた。



来た道をさっきよりも倍のスピードで駆け抜ける。


僕と同じ異端の白羅・・。


初めて見つけた仲間のような存在。


行かなければ・・・!


ただ、その思いだけが頭を占める。


宿屋へ近づけば、強い血のにおいがした。



しまった・・!既に始まっている・・。


だけど、明かりのついていない僕の部屋。


白羅が無事であるように。と願いを込めてまた走り出す。