「~~っ///!蓮の馬鹿っ」
私は蓮の肩を押して、蓮から離れた。
『顔赤いけど?』
そんな楽しそうに笑わないでよ…。
むかつく。
けど、それ以上に…
「うるさいばか」
蓮が好き。
『言っとくけど、泉って苗字だから。』
「…へ?」
蓮は少し頬を赤くしながら、腕を組んだ。
『…名前で呼ぶのは奈央だけ。奈央以外の女になんか興味ねーから』
蓮の言葉に私は顔が赤くなったと思う。
でも…良かった…
泉ちゃんって人は、蓮となんともないんだね…
さっきまで苦しかった心が、軽くなった気がした。
『あー、それと』
ん?
さっきまで顔を赤らめていた蓮は、また真剣な顔になっていた。
『俺は、奈央から好きって言ってくれるまで待ってっから。』
…本当馬鹿だよ。
なんで素直になれない私に、優しくしてくれんの?
「はいはい、もう帰ろ」
私はこの甘い雰囲気から抜け出したくて、蓮の手を掴んで教室を出た。
『奈央』
「…なに?」
『好きだよ』
「あっそ」
本当は嬉しいんだよ。
冷たくしちゃうのは、恥ずかしいから…
ごめんね、蓮。
私、ちゃんと言うからさ…。
素直になれるまで待ってて…。
「はあっ…」
息を吐くと目の前に真っ白な世界が広がる。
あー…寒ッッ…
只今冬真っ盛りです。
『なーおっ、おはよ!』
いつもどーり笑顔で駆け寄ってくる空。
ピンク色のマフラーは新品なんだ、って自慢されたっけ(笑)
「おはよっ」
私も空に笑顔で返す。
いつもどーりの朝です。
『あ、そーだ!』
空はなにかを思い出したように、鞄の中をあさりはじめた。
「なにしてんの?」
私のはてなマークは、空の一言によってなくなる。
『奈央、誕生日おめでとう!』
空はそう言うと可愛くラッピングされた袋を私に渡した。
「…あ、」
私…、今日誕生日だ…。
『…もしかして、忘れてたとか…?』
そうみたいですね…。
自分の誕生日忘れるとか、びっくりだわ…。←
「まあどんまい(笑)それより、プレゼントありがと♪」
プレゼント…
めちゃめちゃ嬉しい!
『喜んで貰えて何よりですよっ。家であけてねー★』
私と空が話していると、横から蒼山が入ってきた。
『奈央ちゃん、今日誕生日なのッッ?!』
「あ、蒼山じゃん。おはよ」
蒼山とはあの泣いた日以来、仲良くなった。
毎日告られてるけどっ(笑)
『あ、おはよう♪…じゃなくて!なんで誕生日って言ってくれなかったの?!』
涙目で私に言う蒼山。
何故に涙目?
「誕生日聞かれてないしー。てか今日何の日かわかってる?」
てかぶっちゃけ誕生日とかどうでも良いもん。←
まあ祝ってくれるのは嬉しいけど。
だって今日は私の誕生日なんかちっぽけに思えるイベントがあるんだよ。
『何の日って…、奈央ちゃんの誕生日とクリスマス♪』
「ぴんぽーん。クリスマスでっす。」
私の誕生日なんか祝ってる暇あったら、キリスト様を祝いなさいよ。
それにクリスマスはカップルの日だしねー。
私には関係ないけど(笑)
『クリスマスなんてどーでも良いよ!それよりも、奈央ちゃんの誕生日の方が大事!』
ありゃー。
そりゃあどーも。
「…キリスト様に殺されるよー。てか当分蒼山には会えなくなるねー」
なんでって…
だって明日からは、
『奈央ちゃんに会えないなんて…。冬休みなんていらないよーッッ(泣)』
そう、冬休みなんです。
今日でとりあえず学校は終わりーっ
『奈央ちゃん、寂しくなったら会いに行って良い?』
しゅん、としてる蒼山。
「来んな来んな。てかそんなこと言ったら毎日じゃんか。」
毎日蒼山に来られるなんて…
あー、考えただけでもめんどくさいわ。