…―朝、7時に起きて朝食を済ませ、クリーニングに出して綺麗になった制服に身を包み、8時に家を出た。
10分の待ち合わせには、余裕を持って5分前には到着している。
そして、その10分後に友達がくる。
「寧々おはよう!さぁ行こうか」
彼女は、いつも一緒に登校している柳葉 弧夏(ヤナギバ コナツ)。頭はいいんだけど、寝坊をよくする…。
「5分も遅れといて『さぁ行こうか』は、ないでしょ?ちゃんと謝ってよね」
「あー、うん。ゴメンね」
「まぁいいよ、別に」
「そう?じゃあ学校へ、レッツゴー!」
そして、久しぶりに通学路を弧夏と歩いていく。
今日は始業式。クラス替えがあり、ちょっと不安…。
「皆、同じクラスになれるかなぁ?」
私の質問に弧夏が応える。
「皆とは無理かもしれないけど誰かとは、なれるんじゃない?」
私達は4人グループで小学校の時から仲良しで、4人でよく遊びに行ったりしていた。
だけど、中学校では1・2年生ともクラスはバラバラ。3年生くらい同じクラスになりたかった。
「そっかぁ…。まぁ誰かとなれたらいっか」
「とりあえず、神にでも頼んどけ」
"ハハハ"と、笑いながら言っているけど、弧夏も本心は同じクラスになりたいんだろう。
(顔に書いてるっつーの)
そんな話をしていると、学校に着いた。
「唯、恵美おはよう」
『おはよー』
唯も恵美も4人グループの仲間。和田塚 唯(ワダヅカ ユイ)と沼田 恵美(ヌマタ メグミ)。
「んじゃ、あたし見てくるね」
弧夏が走ってクラス分けの表を見に行った。
「二人とも、どうだった?」
「うちと恵美は4組やったで」
唯の言葉に恵美が頷く。
「そうなんだ!おめでとう!ちなみに私が何組か見た?」
「見たよ~。え~っとぉ…、何組だったっけ~?」
恵美は、天然なんです。
「さっき見たばっかやんか!うちらと同じ4組やで!」
「あぁ~、そうだったねぇ~。寧々~、私達同じクラスだよ~」
「本当!?やったー!すっごく嬉しい!」
嬉しすぎて跳び跳ねる私。すると、弧夏が帰ってきて
「あたしら皆同じクラスじゃん!」
「そうなのー!?これはきっと、神様からの贈り物だよ!」
感動して涙が出てくる。
(ありがとう、神様)
「クラス分け見たし、教室行こうや」
『うん』
唯の合図で私達は教室へと向かった。
―――3年4組
「わぁ…、見たことない人が数名…」
私の呟きは皆の思ったことと同じだと思う。だって初めて見る人もいるし…
「私、このクラスでやっていけるのかなぁ…?」
「大丈夫やって!うちらがおるしっ」
「そうだよ~。私達がいるじゃんか~」
「困ったことがあったら、なんでも、この弧夏ちゃんに任せなさい☆」
「唯、恵美ありがとう!二人がいるから大丈夫だよね」
二人と握手をして、友情を確かめる。
(私には二人がいるもんね!)
「ちょ、ちょっと!あたしは!?」
今、声が聴こえたけど気のせいかな?
「シカトするなー!!」
弧夏が怒鳴った。
「へ?なんか言った?」
「寧々、とぼけないの!」
「だって弧夏がキモいことを言ってたから…」
私達三人は後ずさる。
(ヤバい!弧夏がキレる!!)
「寧~々~!!」