だが、そんなノワールを見て、悪態を吐く1人の男性がいた。


「くそっ…忌々しい。あの男がこの世界を手に入れてしまったら、世界は……おしまいだ…。」


その男性は、苦しそうに顔を、歪めながらノワールを睨み付けている。


睨んでいるその男性の名前は、〔ヨシュア・オヴェロン・S・ソウル〕と言う。


この男は、1体誰であろうか?


「父さまっ!どうしたの?」

「ああ、良く聞くのだぞっオヴェ。
お前が大きくなったら、天と地を従える者を捜すのだ。」


幼い子供の声が聞こえ、父さまと呼んでいる男性に話しかけていた。


「天と地を従える…も…の?」

「そうだ。そして天地の声を聞け。」


オヴェと呼ばれる子供と、お父さまと呼ばれている2人は、さらに会話を続いている。


「そして、何時か君が大きくなったら、世界を…この魔法界セルディを救ってくれ。私は今この場所でお前に全てを託そうでは、無いか?」


少し、悪戯をする子供のような、台詞。 その言葉や声には、悲しさと憎しみが、混じりあっていた。

だが、その言葉や、台詞には、1言1言に確かな覚悟を色濃く映していた。


「と…とう…様?」


何を悟ったのだろうか?

海のように深い青と、美しい水色を混ぜた色の瞳には、悲しみが満ち溢れている。