「唱怨[ショウエン]……ここに参れ。」


「はっ!ノワール様、何用でしょうか?」

ノワールが呼ぶと、城にある、王座の間で、影になってる所から、ノワールの右手と呼ばれる唱怨が出て来た。


「唱怨…。そなたに頼み事が、あるのだか…」


そう言うノワールは、少し楽しんでいるようにさえ、見える。


「はい。何でしょうか?」


ノワールの前にて、片膝を立て、深々と頭を下げながら、唱怨は、答える。


「良い…それでこそ我が右手。では、頼みと言うのは、唱怨そなたに、神の住まう村の、破壊を頼もうでは、無いか?」


「はっ…ノワール様が望むのなら、仰せのままに…。」


また、深々と頭を下げたのち、ゆっくりと顔を上げる、唱怨。


「では、行けっ!唱怨よ(笑)」


「御意…。」


そして、唱怨は闇の中へと、また消えて行ったのだった。


「これで、全てが私の物に…。」


また、静かなノワールの笑い声が城内に響いた。