この時から、どれくらい前になるのだろうか?


この惨事…
後に、『神の崩壊』と呼ばれる事になる。


その、元凶である魔法界の現王であるノワールのお城で、ある命令が下されていた。


「私は、この世界の全てを手に入れたい…だが、その実現のためには、ナシュイシアが邪魔で、仕方ないのだ…。そう思わないか?」


空を仰いでるように、窓の下に広がる緑色に目を向けている。


ノワールは、口元に微かな笑みを浮かべ、笑っているがその声は、驚くほど冷たく恐ろしい…。


瞳のおくに宿る光は、イフリートの残虐な精神を映し出したようだった。


そして、ノワールは、冷たい瞳を家臣に向け、静かにある命令を言いつけていた。


「滅ぼしてしまおうでは、無いか?天地の核を持つ者たちも、神の住まう村も全て……なぁ?」


ノワールは、淡々と言葉を声に出して行く。