「行ってらっしゃい。」
連は一つ目のサンドイッチを食べ終え、送る言葉を告げた。皿には、残り二つのサン
ドイッチがある。連は、席を立ち、キッチンに向かった。やかんの水が、沸騰してい
る。カップにティーパックを入れお湯を注ぐ。それを、テーブルのサンドイッチの皿
の左隣に置き、椅子に座った。カップを左手に取り紅茶を口元に持っていき、香りを
楽しんだ後、啜った。
「今日のは、スリランカ産だな。」
と一人嬉しそうに呟く。連は、紅茶にだけは煩い。連は、毎日、適当にティーパック
を選び、紅茶を飲んでいる。そのせいか、母は家を出る前にやかんに水を入れ、火を
かけている。その中でもスリランカ産は連のお気に入りなのだ。これは、連の何気な
い日常の楽しみでもある。朝食を終え、自分の鞄を二階の自分の部屋に取りに行っ
た。鞄をリビングのテーブルに置き、紅茶を飲んだカップをキッチンに持って行き、
スポンジを使い洗った。濡れた手を布巾で拭き、リビングに戻り、鞄を手に取り、玄
関の扉を開け、外へ出た。マフラーと手袋を嵌めていても寒い。連は思った。また退
屈日々が始まった、と。