「俺も、そう考えてたんだ。」
そう言って、リビングの椅子に座り、紅茶を啜った。香は、連が飲み終わったのを確
認してカップを持っていない右腕を引っ張る。
「ちょっ…えっ!?」
連は荒くカップをテーブルの上に置いた。二人は雪が降りそうな雲が浮いている外へ
出た。
「どうしたんだよ急に。」
連は、少し動揺しながら問いかけた。
「ただ、早く行きたかっただけ。」

もう長い時間、家にいたようだ。二人の体は火照っていた。なので、いきなり外へ出
ても寒いとは思わなかった。流石に二人で刻んだ足跡の平行線は消えていた。そし
て、天少学院の正門前を通り、雪篠駅に向かった。クリスマス・イヴと違って装飾が
派手になっている。赤を貴重とした電飾が多い。辺りには、サンタクロースが風船
持って、それをを配っている。そして二人は、商店街の奥の一風変わった、喫茶店へ
と入った。二人は向かい合って席に座った。
「また、紅茶を飲むの?」
香は、不思議そうに尋ねた。