香は、今聴いていた歌の歌詞を言った。
「あぁ。」
「本当!?約束だよ。」
「その時は、雪の花を見せてやるよ。」
そして二人は、商店街を歩きはじめた。辺りはクリスマス一色の赤色にも拘らず、香
は白いコートに白いブーツ、勿論あのヘッドホンも首にかけているという白一色だっ
た。なので彼女の腰近くまである黒い髪が目立つ。連は、今日こそ自分に素直になろ
うと思っていた。また、浮かない表情になる。
「どうしたの?」
隣で歩いていた香が気にかけてきた。「いや、今でも不思議なんだ。世間から見れば、俺たちは平然とした恋人同士。で
も、それじゃ、自分の…何て言うか、気が済まないんだよ。」
「私は…好きだよ。」
香は容易く言ってのけた。
「それは…姫野香としてなのかそれとも…。」
「女神として。」
香りは強く言い張る。連は驚いた表情を見せた。
「だってさ、今更、姫野香としてあなたを好きになったって認めてもらえないでしょ
?」
「今、すぐ返事をしなきゃ、駄目かな…。」
いつの間にか日が暮れている。
「大丈夫、クリスマスも来るから。」