-ガチャ-

「ぁーもう!!本当ヘコむよー…。何でこんなすれ違いが多いのよー!!」



メグの登場に二人でハッとした。

「まるでロミオとジュリエット…?あぁ、健司。あなたはどうして健司なの〜…?」


メグが来てくれた事によって、私は現実に戻った。


「メ、メグ残念だったね…。ぁ、メールは見た??」

「見た!新しくできた居酒屋なんだって??」

「うん。山田クンにも伝えてくれた?」

「バッチリ。アイツその居酒屋の場所わかるみたいだから、直接現地向かうって。一体何をしてるんだアイツは…」



「じゃあ、俺達だけで先に行きますか?」


私とメグの会話を、ずっと黙って聞いてた悟がそう言った。


「そうだね。先に行こー!今日はガッツリ飲むゾー!!」


「メグ、ほどほどにしなきゃダメよ? まったく…」


「わかってるって!大丈夫☆今日は沖野クンの歓迎会なんだから、沖野クンをつぶさせるわよー!」

「ぇっ!?俺ですか?!」

「メグったら…八つ当たりしーなーいーの!」

「はいはい!わかったわよ〜…。よし!さっさと行こっか☆」


「うん!……悟。行こ?」

「ぁ、あぁ。」

こうして、私達三人は部署を後にした。メグに何も悟られないように。

悟がさっき言った一言が頭の中で何度も何度もリピートする。



「夏美の一直線で迷いの無い所が好きだったから」



どうしてあんな事突然言うんだろう…。

意味は特に無いんだろうケド…。今の私にはその言葉は大きすぎる。悟はずるいよ。
何気ない一言で私の心音を早める。



あんまり深く考えるのはやめよう。
いくらドキドキしても無駄なんだ…。悟には彼女がいる。
前に進むんでしょ?私。


後ろは見ない。





だからお願い。




神様。もし聞こえてるなら…




私に、とびきりの恋をください。





そう願う私はわがままですか?