〜君へ〜

「沖野ｸﾝ、夏美、ついでに山田。今日の夜さ、沖野ｸﾝの歓迎会しようよ。」

「僕も行ってｨｨんですか!?!?　ついでって所がひっかかるｹﾄﾞ…。」


歓迎会か。この前ﾒｸﾞと悟の三人でﾒｸﾞの彼氏ｻﾝのお店で飲んで以来初対面だもんね…。
あの時はｼｮｯｸでお酒どころじゃなかったｹﾄﾞ。


「いいんですか？」

「当たり前じゃない！それとも何か都合悪かったりする？」

「いえ！すごく有り難いです。是非行かせて下さい。」


「うん②☆夏美はもちろん行くよね？」

「ぁ、うん！」


「夏美ﾁｬﾝと一緒に飲めるなんて僕幸せです…。」


「さて、馬鹿は放っておいて…、じゃあ場所はｼﾞﾆｰでいいよね？」

「うん！健司ｻﾝに会うの久しぶりだなぁ☆」

「最近ね、お店が忙しいらしくてｧﾀｼも会ってないの。だから久しぶりに会えるｶﾗ超嬉しい!!」

「もしかしてそれが目的とかじゃないよね…？」



明らかに「ﾊﾞﾚた!!」という顔をしてるﾒｸﾞをｧﾀｼは軽く睨んでみた。
その時。

「あの。」


悟が間を割って入ってきた。

「彼女に電話してきてもいいですか？今日帰りが遅くなる事だけでも伝えておきたいんで。」



「…ぁ、ぅん！全然いいよ!!かけてきなよ。　ちゃんと連絡するなんて律儀だねぇ。」


「連絡しないとｱｲﾂ怒るんで…。すいません。それじゃちょっと電話してきます。」


-ﾊﾞﾀﾝ-


そう言って悟は部署を出て行った。


「なんだ…沖野ｸﾝ彼女いるんだ…。なぁーんだ☆ﾊﾊﾊー☆」

「うっさい山田。」

「!!………。」


彼女に電話かぁ…。なんか本当に違う人の彼氏をやってるんだなぁ。
大丈夫。大丈夫だよ私。
何も傷ついてない。


-ｺﾂﾝ-


「だいじょーぶ？」

「ﾒｸﾞ…」

心配そうに、そして少し申し訳なさそうに私の顔を見つめるﾒｸﾞ。

「大丈夫だよ☆なんか不思議と平気なんだ。それより!!　楽しみだね☆今日も早く仕事終わらせて定時で上がるｿﾞー！」


「それならいいんだｹﾄﾞさ…」


ﾒｸﾞ、心配してくれてありがとう。私はもう大丈夫だよ。
私は前に進むの。