“教師になりたい”と思ったのは、私個人の夢ではなく、亜弥との夢だ。

私の個人的な夢は、違う。

幼い頃から描いてた夢が、ちゃんとあるんだ―…。



「優香の夢、何?教師より叶えたい夢があるんじゃない?」



私はおにぎりを作る手を止めた。

手を洗い、仏間の押し入れにしまわれた小さなピンクの箱を取り出した。

優太も色違いの青い箱を持っていて、それぞれの、幼稚園の時に書いたお絵かきなどが詰まってる。

箱から白・黄・赤の、3年分の短冊を取り出し、私は灯ちゃんに差し出した。



「私の夢」



いつも、願ってた夢。