チャンスの前に、どちらかが先に寝てしまうし。

妊娠なんて…―。



「優香?顔が物凄く赤い(笑)」



匠が私の頬を指でつつきながら言う。

樹は私につられてか、更に顔を赤くさせる。



「初じゃね?2人」



保が生意気な発言をする。

私は「うるせぇ、タラシ」と保にティッシュ箱を投げて、おにぎりをまた作る。

ちょうど茹で上がったそうめんを匠に水洗いをさせると、灯ちゃんが、カウンター越しに、私の正面へと来た。



「優香は、家庭科の教師に本当になりたいの?」



「……どういう事?」



私は少し、動揺してしまった。